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4度目の被災地 ② [被災者支援]

(前回のつづき)

 2月9日、岩手県釜石市のサポートセンターで、私は以下の単元を担当して講義を実施した。

④ LSA・行政職員のための「法律に関する基礎知識」その4
 ・成年後見制度
 ・虐待問題
 ・介護問題
 ・まとめその他

 雪が降り続きポイント故障のため新幹線と釜石線が大幅に遅れた。そのため、講義は定刻より遅れて始まった。出席者は15人。民生委員2人、大船渡市でサポートセンターを受託する予定の法人から3名が参加し、それ以外の10名が、うかがったサポートセンターの職員だ。

 釜石にはサポートセンターが3カ所あり、他の2カ所にも出席要請をしたものの参加はなかった。サポートセンター同士の連携が充分になされていないのかもしれない。仮設住宅で暮らす高齢者・障害者にきめ細かな支援をするには、サポートセンター相互の連携や、サポートセンターと地元の社会資源との連携が急務であると思う。

 講義については、理念的な説明については概ね理解を得られたように思うが、理念と現場との間に乖離があるようだ。その点については、個別に意見交換をすることができた。

 たとえば、成年後見の市町村長申立や成年後見利用支援事業について、釜石では市町村長申立がほとんど行われておらず、利用支援事業の予算立てもないようだ。

 この点について、釜石では、親族が近くにいるケースが多いため、身寄りのない高齢者・障害者が少なく、市町村長申立の必要な事例が少ないのではないか、などという意見があった。
 
 しかし、個人的には、成年後見制度に対する啓発が不充分であり掘り起こしができていないのではないかという感想をもった。

 また、高齢者虐待については、高齢者虐待の定義や、なぜ虐待認定をする必要があるのか等について説明をした後、通報から市町村による虐待認定、虐待対応、虐待対応の終結に至るフローについて説明をした。
 
 それに対して、民生委員から経済的虐待を発見しても、市が虐待と認定するケースがほとんどないのではないか、見て見ぬふりをしているのではないか、という本音の発言があった。

 特に経済的虐待については、通報をすると高齢者を含めて家族の生活が立ち至らなくなるのではないかという意見がでた。市町村や地域包括支援センターが、適切に高齢者虐待へ対応する体制整備ができていないのではないかと思う。

 高齢者・障害者の権利擁護については、スタンダードというべきものはあるものの、地域の特性を無視することはできない。とはいえ、体制整備が不可欠であるとともに、権利擁護の責任主体である市町村や地域包括支援センターの職員への意識付けが、まだまだ足りないのではないかという印象をもった。

(つづく)

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