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後見 高齢者の見守りⅢ その4 [成年後見]

(前回のつづき)

 入院から一ヶ月後、ケース会議を開催した。
 精神科病棟に、主治医、看護師、PSW、ケアマネ、ケースワーカー(区役所)、次女、私の7人が集まった。次女は母親が看護師と話している隙に閉鎖病棟へ入ってきた。

 はじめに主治医から状況の報告があった。
 約三日間倒れている間にできた恥骨と頰の褥瘡が深く、治療に約一ヶ月かかる。神経症状は妄想性障害が重篤だか薬が効いている。服薬管理ができているので安定に向かっている、という内容だった。服薬管理ができる環境を作れれば退院をしても大丈夫だとも言う。

 次に、看護師とPSWから、褥瘡が治癒すれば退院は可能だが、自宅での一人暮らしは難しい、施設入所を考えるべきだという報告があった。場合によっては、精神科病院への転院も考えられるが、長期間の入院は難しい。服薬管理ができる有料老人ホームが相応しいのではないかとの意見だった。ケアマネと次女も、同意見だった。

 ケース会議が終わってから、私は被後見人に面談をして帰宅することにした。
 私「主治医の先生が、自宅では生活が難しく施設に入所したほうが良いらしいよ」
 被後見人「そうね。またこんなことになったらいけないから、しょうがないわね。施設に入るわ」
 本人の了解を得て、施設を探すことになった。

 私は、被後見人に相応しい老人ホームを探し始めた。また、妄想性障害の高齢者を受け入れてくれるグループホームも探した。その結果、住宅型有料老人ホームと特養を母体とするグループホームからアポイントをとることができた。

 ケース会議から一ヶ月後、私は被後見人に会いに行った。
 私「○○さんに相応しい施設が見つかったよ」「これでこの病院から退院ができるね」
 被後見人「私、ちっちゃいけど家があるのだから、施設に入るのは嫌だ。家の方が気が楽だから」というのだった。
 私「このあいだ、施設に入ることにしたの覚えている?自宅ではなく、施設に入るのはやむを得ないって言ったの覚えている?」
 被後見人「そんなこと、言ったかしら…」
 私は、はしごを外された想いがした。折角、施設を探し当てたのに…。

(次回につづく) 

 
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