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講演Ⅰ [弁護士の仕事]

 私は講演の依頼があると、原則として断らないことにしている。

 講演といっても、学術的で難しい話をする訳ではない。一般市民や、現場で高齢者・障害者のお世話をしている人たちに対する講演だ。

 15年近く、毎年依頼される講演は、「横浜シニア大学」での講義だ。横浜市の外郭団体である「横浜市老人クラブ連合会」が主催者。私は、自分が生まれ育った区を担当している。そのため、昔お世話になったお爺さんやお婆さんが時々聴きに来る。子どもの頃を知っている人の前で話すのは、冷や汗ものだ。

 「横浜老人福祉大学」⇒「横浜高齢者福祉大学」⇒「横浜高齢者シニア大学」⇒「横浜シニア大学」と、名前は変わっているが、内容は同じ。高齢者にとって知っておきたい法律知識の普及啓発が狙いである。

 ①扶養、②相続、③遺言、④財産管理、⑤成年後見、の順に話していく。

① 子どもたちには頼れない。
② 何にもしないで死んでしまうと、子どもたちが相続でもめる。
③ 遺言を書いておくと、子どもたちの争いを未然に防げると同時に、築き上げてきた財産を有為に次世代につなぐことができる。
④ 財産は、自分で管理できるうちは自分でする。財布は最後まで自分で握っていることが肝心。
⑤ 知らない間に「呆け」はやってくる。子どもたちが何とかしてくれるとおもっても、なんともならない。呆けた時に備えて任意後見を検討してみてはどうか。すでに呆けている人には、法定後見(後見・保佐・補助)という制度がある。

 自分らしく最後まで生きるためには、自分が呆けた時のこと、自分が亡くなった時のことを想像してみる。その上で、不安であれば、成年後見や遺言の準備をすることをお勧めする。こんな流れで話は進んでいく。

 話の中に笑いのポイントが幾つも埋め込んである。最低でも5回は爆笑コーナーが用意されている。

 自分が高齢者の仲間入りをするまで、講演依頼が続くと良いな、と密かに目論んでいる。
 子どもたちに頼れない講師が、悩み多い状況のなかで話す内容は、今私が話している内容と違うのかどうか…。ふ、ふ、ふっ。楽しみだ。
 
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