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高齢者虐待 Ⅰ [弁護士会]

 日弁連は、日本社会福祉士会とともに、高齢者虐待の問題に積極的に対応している。
 そこで、数回に分けて高齢者虐待について話す。

 1. 虐待対応件数の推移

 高齢者虐待防止法 (以下「法」という)において、市町村は地域包括支援センター とともに、虐待に関する相談・通報を受け、適切に虐待対応をする責務を負っている(法第9条、第11条等)。厚生労働省の調査 によれば、市町村に寄せられた虐待の相談・通報件数は年々増加し、2006年度に18,390件であった相談・通報が、2009年度は23、404件(1日あたり64.1件)に増えた。また、同年度に市町村が虐待と認定したのは15,615件(相談・通報件数の66.7%)であった。

 2. 虐待者と被虐待高齢者の実態

 同調査によれば、2009年度の虐待者の内訳は、「息子」が最も多く全体の41.0%、次いで「夫」17.7%、「娘」15.2%、「息子の配偶者(嫁)」7.8%の順で、86.4%が同居をしていた。他方、虐待を受けた高齢者は、女性が全体の約8割、介護保険の認定を受けている人が68.6%であった。また、認知症の人は、被虐待高齢者全体で45.7%、要介護認定を受けている人の66.7%と高い値を示している。認知症の症状と、高齢者虐待との間に密接な関係があることがいえる。

3. 虐待に対する市町村の対応の実態

 同調査で、高齢者虐待への対応状況をみると、市町村が被虐待高齢者を保護し虐待者から分離した事例 の割合は33.2%、分離しない事例は58.0%であった。分離を行った事例のなかで、「契約による介護保険サービスの利用」が38.6%で最も多く、「医療機関への一時入院」20.6%、「やむを得ない事由による措置」 は11.6%の順である。また、保護・分離後に虐待者と高齢者との「面会制限」 を行ったのは4.0%であった。

(あしたに、つづく)

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