SSブログ

弁護士の報酬 [弁護士会]

 弁護士に頼みたいが、お金が幾らかかるのか分からないので不安だという話をよく聞く。そこで、弁護士の報酬がどうなっているのか話すことにする。

 弁護士に支払うお金としては、事件に着手するときに支払うお金(着手金)と、事件が終わった後に支払うお金(報酬金)がある。着手金は、いわば動き始める準備のためのガソリン代。報酬金は、うまくいった場合のご褒美と言ったところか。

 2004年3月31日までは、弁護士会に報酬規程があった。そのため、弁護士に支払う金額は、この報酬規程に則って決められていた。そして、弁護士がこの規程に違反して高額の着手金・報酬金を請求した場合には懲戒の対象になった。

 しかし、この報酬規程は独占禁止法に違反しているとして2004年4月1日に廃止された。そのため、弁護士が事件を受任するときの報酬金額は各弁護士が独自に決めることになった。同じような事件であっても、弁護士によって着手金・報酬金の金額が異なるので注意してほしい。事件を頼むときには、着手金や報酬金の金額、交通費や日当などの費用金額について説明を聞いて、納得ができた段階で依頼をすべきだ。弁護士の言いなりになって「先生に全てお任せします」という時代は終わった。

 報酬の説明がなく、しかも高額の着手金・報酬金を請求されたとして、頼んだ弁護士を弁護士会に懲戒請求するケースを散見する。弁護士会としては、報酬に関する説明と委任契約書の作成を弁護士に義務づけている。報酬に関する説明がない弁護士や、委任契約書を作成しない弁護士には、事件を依頼しない方が良い。

 また、報酬の説明に合理性があっても支払が難しい場合には、弁護士に減額を求めるか、分割払いを求めるべきだ。それでも支払が難しい場合には、「法テラス」に相談することを勧める。同居の家族単位で一定の収入金額以下であれば、弁護士費用を立て替え払いしてくれる。お金がないからと言って、弁護士への依頼をあきらめないでほしい。

 2009年8月、日弁連は「アンケート結果にもとづく 市民のための弁護士報酬の目安」という冊子を発行した。弁護士1026人からのアンケート結果に基づいて、事件毎に弁護士報酬の平均値を提示するためだ。日弁連のホームページからダウンロードができるので参考にして欲しい。例えば、
 1時間の法律相談のみ    5,000円 36.1%  10,000円 55.7%
 離婚調停 着手金     200,000円 45.1% 300,000円 41.5%
       報酬金     300,000円 39.6% 200,000円 30.3%
 自己破産 着手金     300,000円 48.7% 200,000円 37.3%
 月額顧問料          50,000円 32.2%  30,000円 30.3%
 刑事事件 着手金     300,000円 52.1% 200,000円 33.2%
        報酬金      300,000円 45.0% 200,000円 30.2%
但し、事件の難易度や着手から終了までの期間などによって着手金や報酬金の金額は異なるのが当然で、金額だけを見て一概に安いとか高いとか言うことはできない。

  ちなみに、私の法律事務所の着手金・報酬金の金額は、まあまあの線。

 

   
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

後見 障害者の身上監護Ⅰ離婚 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。