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高齢者虐待対応専門職チーム① [弁護士会]

 2012年4月14日 (土)、霞ヶ関の弁護士会館で、日本弁護士連合会と日本社会福祉士会が主催する、「高齢者虐待対応専門職チーム経験交流会」が開かれた。全国から160人の弁護士と社会福祉士が集まった。

 2006年に施行された高齢者虐待防止法は、高齢者虐待の対応については、市町村・地域包括支援センターを責任主体であると位置づけている。

 しかし、市町村や地域包括支援センターの担当者は、必ずしも高齢者虐待について専門性が高いとは限らず、虐待対応が適切になされているとは限らない。

 そこで、高齢者虐待対応について、市町村・地域包括支援センターが適切な対応をするための仕組を確立するとともに、市町村・地域包括支援センターの担当者が具体的な対応を適切に実施することを目的に、「専門職チーム」を設置することにした。

 「専門職チーム」は、高齢者虐待に精通した弁護士と社会福祉士からなるチームが、それぞれの視点から担当者に助言を行い、対応力を高めることを目指して、2006年に「専門職チーム」が創設された。

 「専門職チーム」は、以下のようなスタンダードモデルのもとに活動する。

① チームとして助言にあたること
  2つの異なる専門職の視点と発想で、客観的に助言をすることにより(弁護士:虐待対応における法的な枠組に関する助言、社会福祉士;虐待対応の実践方法に関する助言)、実効性のある役割を果たすことができる。

② 助言者(アドバイザー)であること
  チームによる助言により、責任主体である市町村・地域包括支援センターが虐待対応に関する力をつけることを目指す。従って、助言者(アドバイザー)としての立ち位置を堅持する。

③ 個別のケース会議を通じた助言であること
  個別の事例を通して、市町村・地域包括支援センターの高齢者虐待に対する仕組を確立し、同時に事例について適切かつ具体的な対応策を検討することを目指す。従って、チームの助言は、個別のケース会議を通じた助言を中心とする。

④ 市町村との契約に基づく助言を目指すこと
  多くの都道府県では、都道府県の権利擁護等推進事業の予算を活用し、同事業の受託に基づき、市町村や地域包括支援センターに専門職チームを派遣している。しかし、高齢者虐待への対応を、実効性があり恒久的なものとするためには、高齢者虐待の責任主体である市町村との契約を進める必要がある。

 2012年4月現在、38の都道府県で「専門職チーム」が活躍している。未設置県は、北海道、秋田、茨城、栃木、東京、神奈川、長野、和歌山、鹿児島だ。

(つづく)

 
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コメント 1

BZK

 「支援の構造化」に向けての様々な取り組みに期待しています。
 下支えと隙間を埋めていく潤滑油をどう形成し、制度化していくかといったところでしょうか。

by BZK (2012-04-19 05:05) 

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